日本一周サーフトリップ13日目|小休止 根室の静かな夜

波乗り紀行

2024年7月29日。
北海道に入って13日目の朝。

テントを叩く雨音で目が覚めた。

天気予報では下り坂とは聞いていたが、やはり空はどんより。すでにに風も吹いている。
今日は海に入るのは厳しそうだ。

仕方ない。
こんな日は無理にサーフィンしないで根室をゆっくり観光することにしよう。

そう決めて、そそくさとテントを片付ける。

撤収作業をしていると、ふと視線の先にある看板が目に入った。

「ヒグマ出没中!注意!」

思わずギョッとする。

どうやら昨夜、知らずにヒグマが出るエリアで野営していたらしい。
雨音で目覚めたのは少し残念だったが、ヒグマの気配で目覚めるよりはよほどマシだ。

気を取り直して朝食へ。

前から気になっていた店がある。
納沙布岬からも歩ける距離にある、おそらく日本最東端クラスの宿泊施設。

目当ては、ここの名物らしいサンマ丼だ。

宿に着くと、年配のご主人が迎えてくれた。
少しぶっきらぼうな雰囲気はあるが、話していると根は優しそうな人だとわかる。

注文したのは、少し奮発してサンマ丼と鉄砲汁。

運ばれてきたサンマ丼には、軽く炙られたサンマの切り身。
その上に、卵なのか、いくらなのか、彩りのある具材がのっている。

鉄砲汁には、大ぶりなカニの切り身が溢れんばかりに盛られている。
朝からかなり贅沢な組み合わせだ。

雨の根室で食べる、最東端のサンマ丼。
これだけで、今日サーフィンできない悔しさが少し薄れた。

食後は、納沙布岬まで散歩してみた。

小雨が降り、空は厚い雲に覆われていた。
風も強い。

晴れていればロシアに不法占拠されている北方領土が見える場所だが、この日は残念ながら何も見えなかった。

「今日はやっぱりダメだな」

そう思いながら、次は作業できそうな場所を探す。

調べてみると、2024年に開庁したばかりの新しい根室市役所の最上階が良さそうだった。
今日はここでテレワークをしながら過ごすことにする。

北海道に来て13日目。
走行距離は、もう3,000キロ近いだろうか。

なかなかのハイペースでここまで来た。
だからこそ、こういう休息日も必要だ。

それにしても、根室は本当に涼しい。

気温は20度前後。
雨のせいもあって、Tシャツ1枚だと少し肌寒いくらいだ。

ふとネットニュースを見ると、この日、関東では最高気温が40度を超えた地域もあったらしい。

同じ日本とは思えない。

根室の涼しさに身を置きながら、改めて日本という国の広さを感じた。

夕方になり、市役所の閉庁時間が近づいてきた。
少し早めの晩飯に向かうことにしよう。

やって来たのは、創業昭和38年という根室の老舗喫茶店。
なんでも、根室名物のエスカロップ発祥の店らしい。

ただ、エスカロップは昨夜食べている。
今日は別のご当地メニューを頼むことにした。

注文したのはビドックライス。

ケチャップライスの上に、ミートボールがゴロゴロとのっている。
見た目はどこか懐かしい、大人のお子様ランチといった感じだ。

付け合わせに玉子スープも注文する。

レトロな空間で味わうご当地グルメは最高だった。

気がつくと夜も更けてきた。まだ雨は降っている。今夜は野営には少し厳しい。

この旅で初めて宿に泊まることにした。

せっかくなので朝にサンマ丼を食べたあの宿にした。
基本はライダー向けの宿らしいが、空きがあれば四輪ドライバーも歓迎してくれるとのこと。

料金は、なんと1泊2,000円。

コンビニで買っておいた缶ビールとつまみで、ささやかな一人晩酌。
雨で波には乗れなかったが、根室という街を少し味わえた一日だった。

明日は天気も回復しそうだ。

根室から西へ。
次は釧路方面の海を探ってみよう。

舞台は、再び太平洋へ。

To be continued…

Photo Gallery

朝食を取った、日本最東端の宿。親戚の家に遊びに来たような、懐かしい雰囲気だ。
根室名物のサンマ丼。味も見た目も美味しい、最高の丼だ。
蟹の切り身をこれでもかと盛り込んだ贅沢な鉄砲汁。
次はカニカレーを食べてみようかな。再訪が楽しみな場所だ。
一般人が辿り着ける、日本の最東端・納沙布岬。あいにくの天候で北方領土は見えず。
レトロ食堂のたまごスープ。身も心も温まる一品だ。
どこか懐かしい見た目の根室のご当地グルメ・ビドックライス。
創業60年以上の根室でも最も歴史がある部類に入るレストラン。
シンプルなライダースハウスのゲストルーム。雨風が凌げるだけで有り難い。

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